ドローンのエンジンは電動が基本で、長時間は発電式が有利|用途別に見極めれば運用コストが下がる!

青空を背景に飛行するMavic Proドローン
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「ドローンのエンジン」と検索する人の多くは、電動モーターの話とガソリンエンジンの話が混ざって情報が追いにくい状態になっています。

結論から言うと、一般的な空撮や点検で使うマルチコプターは電動が基本で、長時間や重量物には発電式ハイブリッドが候補に上がります。

一方で、エンジン機には整備や騒音、燃料管理といった運用コストがつきまとい、選び方を間違えると「飛ぶけど現場で回らない」になりがちです。

この記事では、エンジン方式ごとの特徴を整理しつつ、用途別に何を見れば迷いにくいかを短時間で判断できる形にまとめます。

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ドローンのエンジンは電動が基本で、長時間は発電式が有利

木々を背景に飛行するPhantomシリーズドローン

多くのドローンは電動モーターで飛びます。

ただし長時間や高積載が必要になると、エンジンを「推進」ではなく「発電」に使う方式が現実的になります。

まずは用語と方式を整理すると、比較が一気に楽になります。

まず押さえるべき「エンジン」と「モーター」の言葉

日常会話では動力源をまとめて「エンジン」と呼びますが、ドローンの技術文脈では内燃機関がエンジンで、電気で回る回転機がモーターです。

検索結果でも「エンジンドローン」と言いながら、実際は発電してモーターを回すハイブリッド方式を指すことが多いです。

購入や導入の場面では、推進がモーターなのか、推進がエンジン直結なのか、発電専用なのかを切り分けて読むのが近道です。

用語が揃うと、飛行時間や整備性の比較で迷いが減ります。

  • エンジン:ガソリン等で燃焼して回転力を作る
  • モーター:電気で回転力を作る
  • ハイブリッド:エンジンで発電しモーターで推進することが多い
  • 電動:バッテリーでモーターを回して推進する

一般的なマルチコプターが電動中心な理由

マルチコプターは姿勢制御をミリ秒単位で繰り返すため、推力を素早く上下できる動力系が向いています。

電動モーターは回転数の追従が速く、制御器と組み合わせると安定したホバリングや急制動が作りやすいです。

燃焼式エンジンは回転数の変化やトルクの扱いが難しく、精密制御の難しさがハードルになります。

そのため、空撮や点検の主流は電動で、交換バッテリーを回す運用が一般化しました。

方式 電動(バッテリー+モーター)
得意 制御の速さ、静粛性、整備の簡単さ
弱点 飛行時間、寒冷時の性能低下
典型用途 空撮、点検、測量、災害状況把握

内燃機関を積む「ガソリン機」が向く場面

エンジンを推進に使う機体は、固定翼やヘリコプター系で採用されやすく、長距離や長時間のミッションで強みが出ます。

燃料のエネルギー密度が高く、補給が早いので、バッテリー交換より現場の回転が良くなるケースがあります。

一方で振動と騒音が増え、整備も定期的に必要になるため、作業要件と周辺環境の条件が揃う現場向けです。

導入時は「飛ぶ時間」だけでなく「毎日の点検と整備の手間」まで含めて比較するのが大切です。

  • 長時間の巡回や広域監視
  • 充電設備が置けない現場
  • 固定翼の長距離飛行
  • ヘリ系の特定用途

発電して飛ぶ「ハイブリッド方式」の位置づけ

産業用途で増えているのは、エンジンをプロペラに直結せず、発電機として使って電力を作り、モーターで推進する方式です。

この方式はモーター推進の制御性を保ったまま、燃料の強みで飛行時間を伸ばせる点が評価されています。

ハイブリッドドローンでは小型エンジンが発電に使われることが多いとされ、用途によって排気量の考え方も変わります。

仕組みの概要は、用語集としてまとまっている説明を一度読むと理解が早いです。

基本構造 エンジン+発電機+バッテリー+モーター
推進 モーターでプロペラを回す
発電 必要に応じてエンジンを回して充電する
参考 DroneJournal:ハイブリッドドローンとは

燃料電池や水素など次世代動力の現状

長時間化の選択肢はエンジンだけではなく、燃料電池のように電気を作りながら飛ぶ方式も研究と実装が進んでいます。

燃料電池はモーター推進のまま航続を伸ばせる可能性がある一方で、燃料供給や機材コスト、運用インフラが課題になりやすいです。

現時点の実務では、入手性と整備体制が整った電動かハイブリッドが中心になり、次世代方式は「条件が合う現場で採用が進む」段階です。

新方式を検討するなら、機体だけでなく燃料の調達と保管、点検体制までを同じ重要度で見ます。

  • 燃料電池:長時間化の可能性が高い
  • 水素:補給と保管の仕組みが鍵
  • バイオ燃料:供給と規格の確認が必要
  • 現実解:電動と発電式が主流

日本で運用するなら法規と保険も同時に確認

エンジン方式は機体が大型化しやすく、重量や飛行形態によって必要な手続きや安全対策が変わります。

日本の無人航空機の飛行ルールは国土交通省のページにまとまっているため、導入前に必ず一次情報を確認します。

特に重量が増える機体は第三者賠償責任保険の考え方が重要になり、改正や運用変更も起こり得ます。

法規と保険の確認を先に終えると、機体選びで「あとから使えない」を避けられます。

  • 飛行ルールの一次情報を確認する
  • 重量と飛行形態で必要手続きを把握する
  • 第三者賠償の補償範囲を見直す
  • 運用マニュアルと点検体制を整える

電動ドローンの心臓部を決めるモーターとESC

タブレット付き送信機でドローンを操作する手元

電動機の性能は、モーターとESCの組み合わせで大きく変わります。

同じバッテリーでも、回転系の設計が噛み合わないと推力が伸びず、発熱や寿命低下につながります。

ここでは「選ぶときに外しやすいポイント」を先に押さえます。

KV値と推力の関係

ブラシレスモーターのKV値は、電圧に対してどれくらい回転しやすいかの目安として扱われます。

KVが高いほど高回転寄りになりやすく、プロペラの直径やピッチ、機体重量との相性で効率が決まります。

推力はモーター単体ではなく、プロペラと回転数、空気密度の組み合わせで決まるため、セットで考える必要があります。

迷う場合は、機体メーカーが示す推奨プロペラとモーターの範囲に寄せるのが安全です。

  • 高KV:小径プロペラ寄りになりやすい
  • 低KV:大径プロペラ寄りになりやすい
  • 推力:プロペラと回転数で決まる
  • 効率:目的の回転域で決まる

ESCの役割と選定のコツ

ESCはモーターに流す電流を制御し、スロットル操作に応じて回転数を変える役割を担います。

ブラシレスモーター用ESCは三相で駆動し、電流のオンオフを高い周波数で制御して回転を作る説明が一般的です。

選定では最大電流だけでなく、冷却、応答性、ファームウェア、故障時の挙動まで含めて確認します。

基礎の仕組みは、ブラシレスモーターとESCの解説記事を読むと理解が早まります。

確認項目 定格電流とピーク電流
熱対策 放熱設計と通風
制御 応答性と設定項目
参考 DroneStation:ブラシレスモーターとESC

プロペラと回転系の相性

プロペラは同じ直径でもピッチや形状で負荷が変わり、モーターとESCの電流が一気に増えることがあります。

高負荷の組み合わせは推力が出たように見えても、発熱が増え、効率と寿命が落ちることがあります。

回転系のバランスが崩れると振動が増え、姿勢制御にも影響が出るため、消耗品として定期交換する前提が現実的です。

特に業務機は、推力余裕よりも「長時間同じ性能を出せるか」を優先するとトラブルが減ります。

  • 直径とピッチで負荷が変わる
  • 振動は制御と寿命に効く
  • 曲がりや欠けは即交換の目安
  • 同一ロットで揃えると差が出にくい

冷却と耐久性の実務

電動機は静かに見えても、連続運用ではモーターとESCが熱で性能低下しやすいです。

外気温が高い現場や、高負荷でホバリング時間が長い作業は、冷却設計の差がそのまま稼働率の差になります。

防塵防滴を強化すると通風が減るため、熱対策は設計段階でトレードオフになります。

導入時は、夏場の運用条件で安全側のテストをしてから本番に入れると安心です。

熱が上がる要因 高負荷ホバリング、追い風抵抗、炎天下
対策 推奨範囲の回転系、通風確保、休ませる運用
兆候 異音、振動増加、出力低下、異常停止
保守 ログ確認と定期交換の計画

ガソリンエンジンドローンが活きる用途と注意点

雪山を背景に飛行するプロフェッショナルドローン

エンジン直結の機体は、長時間や航続距離で強みを出せる一方、運用の難易度が上がります。

導入の成否は、現場の安全管理と整備体制を作れるかで決まることが多いです。

ここでは、強みが出る条件と、よくある落とし穴を先に整理します。

長時間・高積載が求められる業務

長距離の巡回や広域監視、固定翼での測量などは、飛行時間の長さがそのまま作業量につながります。

燃料補給は充電より早く終わることが多く、拠点の電源事情が厳しい現場ではメリットが出ます。

ただし、積載や飛行時間の数値は運用条件で変わりやすく、最大値ではなく実運用の余裕を見ます。

機体の選定では、メンテナンス周期と部品供給も同じ重要度で比較します。

向きやすい業務 広域監視、固定翼測量、長距離巡回
強み 燃料補給が早い、航続を伸ばしやすい
注意 騒音、振動、整備、燃料管理
判断軸 稼働率と保守体制を含めた総コスト

振動・騒音・整備が運用コストになる

エンジン機は振動が増えやすく、センサーやカメラの品質、機体の寿命に影響が出ることがあります。

騒音は近隣配慮の課題になり、飛行場所や時間帯の制限が実務上のボトルネックになります。

また、プラグや燃料系、駆動系などの点検が日常業務に組み込まれ、操縦者だけで回せない現場もあります。

強みを活かすには、整備と安全管理を「前提条件」として計画に入れる必要があります。

  • 振動:映像品質と部品寿命に影響
  • 騒音:飛行場所と時間の制約になる
  • 整備:点検の手順と記録が必要
  • 人員:操縦と整備の分担が現実的

燃料の取り扱いと安全管理

燃料は電池と違い漏れや引火のリスクがあるため、保管と輸送のルールを現場で徹底する必要があります。

燃料系のトラブルはエンジン停止につながる可能性があり、冗長な安全設計や緊急時手順の整備が重要です。

機体の構造によっては燃料タンク配置を工夫して安全性を高める設計も見られます。

導入前に、燃料の保管場所と補給手順を文書化すると事故を減らせます。

主要リスク 漏れ、引火、蒸気、誤給油
基本対策 保管ルール、消火具、点検表、教育
運用 補給場所の固定、記録、立入管理
設計例 燃料タンク配置の工夫による安全性向上

近隣配慮と飛行計画

エンジン機は騒音の印象が強く、周辺からの理解を得にくい現場があります。

飛行計画では、離着陸地点の安全確保に加えて、騒音が届きにくいルートや時間帯を選びます。

風が強い日は燃料消費が増えやすく、想定航続が崩れることもあるため、余裕を持った計画が必要です。

結果として、機体性能よりも「運用設計」が成否を分けるケースが少なくありません。

  • 事前説明でトラブルを減らす
  • 離着陸地点は立入管理を徹底する
  • 風と温度で消費が変わる前提で組む
  • 代替日程を用意して稼働率を守る

ハイブリッドドローンの仕組みと導入判断

夕焼け空に浮かぶLEDライト付きドローンのクローズアップ

ハイブリッドは、エンジンの長時間性とモーターの制御性を両立させる現実的な折衷案です。

ただし構成が複雑になるため、導入の判断軸は「飛行時間」だけでは足りません。

仕組みとメリットの出方を理解すると、投資判断がブレにくくなります。

発電専用エンジンでモーターを回す基本構造

ハイブリッド方式では、ガソリンエンジンをプロペラの動力源にせず、発電のために回す設計が一般的です。

飛行中にバッテリーが減ってきたタイミングで発電を行い、電力を補いながらモーター推進を続けます。

小型エンジンが採用されることが多いという説明があり、用途によってエンジンの規模が変わる点も押さえどころです。

仕組みの要点は一次情報に近い形で確認すると理解が早いです。

推進 モーターで回すため制御がしやすい
発電 エンジンは発電に特化しやすい
参考 DroneJournal:仕組みと構造
導入ポイント 整備体制と燃料管理が必要

飛行時間の考え方(最大値と実運用)

ハイブリッド機は「最大何分」という数値が目立ちますが、実際の現場では搭載物や風、待機時間で大きく変わります。

例えばエンジンジェネレーターで発電してモーターを回す機体で、最大飛行時間として140分超を掲げる例もあります。

この手の数値は条件付きであるため、同じ条件で比較し、必要な作業時間に対して余裕があるかを見ます。

実運用では、帰投余裕と予備燃料、点検時間まで含めた「1日あたりの作業量」で評価します。

  • 最大値は条件付きで変わる
  • 搭載物で航続が落ちやすい
  • 帰投余裕を先に決める
  • 1日の作業量で比較する

フェイルセーフと冗長性

発電系が止まっても、バッテリーが残っていれば安全に着陸できる設計はハイブリッドの重要な価値です。

エンジン停止時にバッテリーで着陸できる説明を明示している製品や導入事例も見られます。

ただし冗長性は設計と運用のセットで成立するため、異常時の手順を作って初めて効果を発揮します。

導入前に、想定故障と対応手順を机上で洗い出すと現場が強くなります。

想定異常 発電停止、燃料供給不良、温度上昇
基本対応 負荷低減、帰投判断、即時着陸
強み バッテリーがバックアップになりやすい
確認 異常検知とログの見方を揃える

故障モードと点検項目

構成が複雑になるほど、故障モードも増えるため、点検項目を体系化して漏れを減らす必要があります。

特に燃料系と電装系が同居するため、漏れと配線、振動の影響を定期的に確認します。

点検が属人化すると稼働率が落ちるので、チェックリストと記録を標準化するのが効果的です。

結果として、飛行時間のメリットを最大化するには、運用設計が最重要になります。

  • 燃料系:漏れ、ホース、フィルタ
  • 発電系:出力、異音、温度
  • 電装系:配線固定、端子、発熱
  • 機体:振動、緩み、フレーム亀裂

目的別に選ぶドローンの動力選定チェックリスト

カメラとドローン用アクセサリーが並ぶフラットレイ

エンジンか電動かで迷うときは、まず「何を達成したいか」を条件に分解します。

目的が明確になるほど、動力方式は自動的に絞られます。

ここでは用途別に、判断を早めるチェック項目を置きます。

空撮・点検・測量で重視する項目

空撮や点検は、制御の滑らかさと静粛性が品質に直結し、電動が基本の選択肢になります。

飛行時間は短くても、バッテリー交換で回す運用のほうが、周囲への影響が小さく、総合的に回る現場が多いです。

また、機体とカメラ、ソフトウェアまで一体でサポートされる構成は、トラブル対応の速度が上がります。

電動で足りるかは、必要な滞空時間と離着陸回数を具体化すると判断できます。

  • 静粛性と近隣配慮
  • 映像品質と振動耐性
  • バッテリー回転数と充電計画
  • メーカーサポートと部品供給

運搬・物流で重視する項目

運搬や荷揚げは、作業時間の長さと積載の余裕が価値になり、発電式ハイブリッドが候補になりやすいです。

ただし重量が増えると安全対策と保険、飛行計画の要求水準が上がるため、法規の一次情報を前提に設計します。

また、燃料補給を現場で回す場合は、保管と補給手順の標準化が必須です。

機体性能だけでなく、現場全体のオペレーション設計を含めて導入判断します。

最優先 作業量を増やせる航続と積載
次点 安全設計と冗長性
運用 燃料管理、点検、記録
一次情報 国土交通省:無人航空機の飛行ルール

研究開発や自作で注意するポイント

自作や研究用途は自由度が高い分、電装と燃料の安全設計が不足しやすく、事故のリスクが上がります。

電動であっても、ESCや配線の選定を誤ると発熱や焼損につながるため、定格と冷却を厳密に見ます。

エンジン併用の場合は振動対策とフェイルセーフがより重要になり、緊急時の手順を必ず用意します。

試験は小さく始め、ログを取って段階的に出力を上げると安全です。

  • 定格電流と配線容量を揃える
  • 冷却設計を先に作る
  • 振動対策でセンサー誤差を減らす
  • 緊急停止と安全着陸を定義する

交換部品と保守体制の見極め

動力方式の違いは、故障時の復旧速度に直結するため、部品供給と保守体制まで見て選ぶのが現実的です。

電動は消耗品の交換が比較的簡単ですが、モーターやESCの在庫が切れると稼働が止まります。

エンジンやハイブリッドは整備項目が増えるため、点検の外注先や社内の担当者を決めておくと運用が安定します。

結果として、総コストは機体価格よりも保守設計で差が出ます。

電動で確認 モーター、ESC、プロペラの入手性
ハイブリッドで確認 燃料系、発電系、消耗品の供給
体制 点検担当、記録、教育
評価軸 復旧速度と稼働率

これだけ押さえれば迷いにくいエンジン選びの要点

森林を背景にホバリングするPhantomシリーズドローン

電動は制御性と扱いやすさで優位なので、空撮や点検のような一般用途ではまず電動を起点に考えるのが合理的です。

飛行時間や積載がボトルネックになったときに、エンジン直結ではなく発電式ハイブリッドを候補に入れると、制御性を落とさずに航続を伸ばしやすいです。

エンジン系の導入で失敗が起きやすいのは、性能比較だけで決めて、燃料管理と整備体制、近隣配慮まで含めた運用設計を作らないケースです。

用途の条件を数値化し、法規と保険の一次情報を確認したうえで、総コストと稼働率で選ぶと、現場で回る選択になりやすいです。