ドローンが鳥に襲われるのを防ぐ基本対策|現場で慌てない判断軸を身につけよう!

ドローンに挿入されるマイクロSDカードのクローズアップ
トラブル

ドローンの飛行中にカラスやトビなどの鳥が近づいてきて、ヒヤッとした経験がある人は少なくありません。

鳥はドローンを「縄張りへの侵入者」や「捕食者」に見立てて、防衛行動として追尾や威嚇をすることがあります。

一方で、飛行場所と高度と退避手順を決めておけば、接触事故の多くは未然に減らせます。

本記事は、鳥の行動理由と法律面の注意点を押さえつつ、実際の操縦判断を迷わない形に落とし込みます。

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  1. ドローンが鳥に襲われるのを防ぐ基本対策
    1. まずは飛行場所を「鳥の都合」で外す
    2. 繁殖期は「近づかない」が最強の対策
    3. 高度を上げ下げするより「退避ルート」を決める
    4. 目視で「鳥のサイン」を拾って早めにやめる
    5. 小型機ほど狙われやすい前提で飛ばす
    6. 安全マージンとして「帰還判断の基準」を数値化する
    7. 鳥を追い回さないことが結果的に安全につながる
    8. どうしても飛ばすなら「時間帯」と「飛行高度」をずらす
  2. 鳥がドローンを敵とみなす理由
    1. 縄張り防衛は「追い払い」が目的になる
    2. 上空の影と音が「捕食者の刺激」になる
    3. 繁殖地や営巣木の近くでは反応が急に強くなる
    4. 群れの鳥は「警戒の連鎖」が起きやすい
  3. 飛行前に確認したい法律とルール
    1. 航空法の基本ルールを先に押さえる
    2. 国立公園は「飛ばせる場所」でも配慮が強く求められる
    3. 鳥を追い払う目的の運用は別の法令や許可に触れやすい
    4. 飛行前チェックの要点を短く整理する
  4. 鳥が近づいたときの操縦手順
    1. 最優先は「直線で離脱して安全に降ろす」
    2. 上昇か下降かは「周囲の障害物」と「安全地帯」で決める
    3. 追いかけてくる鳥に「勝とう」としない
    4. もし接触しそうなら「緊急手順」に切り替える
    5. 操縦者以外の人がいるときの声かけを決めておく
    6. 緊急時に迷わないための判断基準を表にする
  5. 撮影・点検で鳥と共存する運用のコツ
    1. 事前に「鳥が少ない構図」を設計する
    2. 繁殖や営巣に配慮して「やめる勇気」を優先する
    3. 現場で使える「鳥リスクの見分け方」
    4. トラブルを減らすための運用設定を表にする
  6. 安全と自然を守る飛ばし方の要点

ドローンが鳥に襲われるのを防ぐ基本対策

雪景色の中を飛ぶMavic Proドローンの正面

結論として、鳥に狙われる状況は「繁殖期の縄張り付近」と「餌場や営巣地の上空」に偏ります。

そのため、場所選びと季節配慮を最優先にし、接近兆候が出たら直線退避と安全着陸へ切り替えるのが基本です。

まずは飛行場所を「鳥の都合」で外す

鳥が集まる場所には理由があり、河川敷の餌場やゴミ集積所の周辺は特に遭遇率が上がります。

「景色が良い場所」ほど鳥の生活圏と重なることがあるため、撮影目的でも生息域の上空は避ける判断が安全です。

国立公園では、野生生物へのストレスや繁殖への悪影響に配慮して、近くに野生生物が確認される場合は飛行させないよう注意喚起があります。

関東地方環境事務所の案内も踏まえ、まずは「鳥がいない場所」を探す発想に切り替えます。

繁殖期は「近づかない」が最強の対策

カラスは繁殖期になると巣やヒナを守るため、巣の近くに入った相手を強く排除しようとします。

札幌市は繁殖期をおよそ4月上旬から7月下旬として、威嚇や攻撃が起こり得ると説明しています。

この時期は鳥が敏感なため、いつも問題ない場所でも急に追尾されることがあります。

季節要因は操縦技量では解決しにくいので、期間中は飛行エリアを変える判断が合理的です。

根拠として、繁殖期の目安は札幌市の注意喚起を確認できます。

高度を上げ下げするより「退避ルート」を決める

鳥に反応して上下動を繰り返すと、鳥が追いかけっこに乗ってしまい興奮が増すことがあります。

基本は、事前に「戻る方向」と「着陸できる空き地」を決めておき、直線で離脱する判断を優先します。

追尾されたら、慌てて速度勝負をしないことが重要です。

鳥は機動性が高く、特に猛禽類はドローンより有利になりやすい点が指摘されています。

具体的な対処の考え方はFlying Glassの整理も参考になります。

目視で「鳥のサイン」を拾って早めにやめる

鳥が旋回しながら距離を詰めてくるときは、好奇心ではなく追い払いの可能性が高まります。

鳴き声が増えたり、同じ個体が何度も上空を横切るときは、すでに警戒モードに入っている合図です。

この段階で撮影を続けると、鳥にとっては「居座り」と受け取られやすくなります。

サインを見たら、撮れ高より安全を優先し、離脱の操作に切り替えます。

小型機ほど狙われやすい前提で飛ばす

小型機は鳥から見て「小さな侵入者」に見えやすく、追い払い行動の対象になりやすい傾向があります。

また、軽い機体ほど突風や接触の影響が大きく、回復操作の余裕が減ります。

機体選びの段階で「鳥が多い場所で使う可能性」があるなら、耐風性や回避余裕も含めて検討します。

どの機体でも共通して、鳥がいる場所では飛ばさない判断が上位になります。

安全マージンとして「帰還判断の基準」を数値化する

鳥が見えた瞬間に迷うのは、撤退の線引きが曖昧だからです。

例えば「鳥が半径50m以内に入ったら直ちに帰還開始」など、個人ルールを決めておくと判断が速くなります。

風が強い日や人が多い場所では、基準をさらに厳しくします。

ルールは撮影の目的ではなく、事故の最悪ケースから逆算して作るのがコツです。

鳥を追い回さないことが結果的に安全につながる

「鳥の映像を撮りたい」と近づく行為は、鳥に過度なストレスを与え、追尾や攻撃の引き金になります。

野生動物への接近撮影は人慣れや生態への影響が問題化しており、過度な接近を避ける考え方が重要です。

環境省資料でも、餌付けや過度な接近撮影が人慣れを進める課題として扱われています。

根拠として、野生動物への配慮に関する資料は環境省の資料で確認できます。

どうしても飛ばすなら「時間帯」と「飛行高度」をずらす

鳥の活動が活発な時間帯は、餌探しや縄張り行動が増えるため遭遇しやすくなります。

現地で鳥の動きが多いなら、時間帯を変えるだけでリスクが下がることがあります。

また、低空での横移動は巣や若鳥の近くを横切りやすいので、短時間で上空を抜けるよりも飛行自体を見送る判断が堅実です。

「飛ばす工夫」は最後の手段で、まずは飛ばさない選択肢を残します。

鳥がドローンを敵とみなす理由

山岳地帯の上空を飛行する白いドローン

鳥の接近は気まぐれに見えても、生態の観点では一定のパターンがあります。

理由を理解すると、危険な場所と時期を事前に避けやすくなります。

縄張り防衛は「追い払い」が目的になる

多くの鳥は繁殖期に縄張りを持ち、侵入者を遠ざける行動を取ります。

このときの目的は捕食ではなく、防衛として距離を取らせることです。

つまり、こちらが離れれば終わるケースが多く、粘らない判断が効果的です。

人が受けるカラスの威嚇行動も、巣の近くから離れると収まるとされています。

上空の影と音が「捕食者の刺激」になる

ドローンの影は、上から襲う捕食者を連想させる可能性があります。

さらにプロペラ音や急な動きは、警戒を強める刺激になります。

鳥が一度警戒すると、距離を詰めて追い払う行動に移りやすくなります。

撮影でホバリングを続けるほど、鳥にとっては「居座り」に見えやすくなります。

繁殖地や営巣木の近くでは反応が急に強くなる

同じ鳥種でも、営巣場所の近くでは反応が強くなります。

これは個体の性格ではなく、巣とヒナの存在が行動を変えるためです。

公園や河川敷の樹木帯は巣が見えにくく、気づかずに近づきやすい点が危険です。

繁殖期の目安は自治体の注意喚起が参考になり、例えば福岡市も子育て期の警戒行動を案内しています。

群れの鳥は「警戒の連鎖」が起きやすい

カモメや小型の鳥が複数で反応すると、個体の警戒が連鎖して追尾が続くことがあります。

この状況で急旋回や急加速をすると、鳥の攻撃スイッチを入れやすくなります。

群れがいる場所は、たとえ目的地でも飛行を中止した方が結果的に早く安全に帰れます。

撮影は「別日」「別場所」に切り替えるのが現実的です。

飛行前に確認したい法律とルール

夕焼け空にシルエットで浮かぶドローン

鳥とのトラブルは操縦だけでなく、場所のルール違反が重なると一気に深刻化します。

飛行可否と自然環境への配慮を同時に確認することで、事故と炎上の両方を避けやすくなります。

航空法の基本ルールを先に押さえる

ドローンの飛行は航空法の枠組みでルールが整理されており、飛行場所や飛行方法に制限があります。

国土交通省は無人航空機の飛行ルールをまとめて公開しており、まずここを起点に確認するのが確実です。

特に人口集中地区や夜間飛行、目視外飛行などは追加の手続きが必要になりやすい領域です。

一次情報として、国土交通省の案内を事前に確認します。

国立公園は「飛ばせる場所」でも配慮が強く求められる

国立公園は一律に全面禁止という形ではなくても、利用者や自然への影響を踏まえた注意喚起が出ています。

野生生物に過剰なストレスを与えないよう、飛行させる場所や時期に配慮するよう求められています。

つまり「飛行できるか」だけでなく「飛ばしてよい状況か」を判断する必要があります。

具体的な注意点は環境省の地方環境事務所のページでも確認できます。

鳥を追い払う目的の運用は別の法令や許可に触れやすい

農地などで鳥獣被害対策としてドローンを使う文脈では、手続きや許可が関係することがあります。

一般の趣味飛行で鳥を追い回す行為は、周囲からは「威嚇」や「追跡」に見えやすい点がリスクです。

被害対策としての位置づけや自治体の枠組みの中で行うケースもあるため、安易な自己判断は避けます。

背景整理の読み物としては、鳥獣被害対策の法令関係に触れた解説記事も参考になります。

例としてHELICAMのコラムが論点整理になります。

飛行前チェックの要点を短く整理する

現場で慌てないために、チェック項目は「場所」「季節」「手続き」の三つに絞ると運用が回ります。

とくに鳥の多い場所は、法律以前に事故リスクが高いので優先的に外す判断が重要です。

次のリストを印刷やメモにしておくと、同乗者がいる撮影でも判断がぶれにくくなります。

  • 飛行場所が禁止区域かを確認
  • 国立公園や保護区域の注意喚起を確認
  • 繁殖期の可能性が高い季節かを確認
  • 鳥が多い餌場や水辺を避ける
  • 緊急着陸できる空き地を確保

鳥が近づいたときの操縦手順

夕焼け空に浮かぶLEDライト付きドローンのクローズアップ

鳥が寄ってきたときに一番危険なのは、焦って操作が荒くなり、周囲の人や構造物へ寄ってしまうことです。

手順を決めておくと、短時間で安全側に倒しやすくなります。

最優先は「直線で離脱して安全に降ろす」

鳥が一定距離まで入ったら、迷わず帰還方向へ直線移動を開始します。

旋回で鳥を巻こうとすると、鳥の追尾を誘発して距離が縮まりやすくなります。

しつこい追尾が続く場合は、無理に飛び続けず安全な場所へ着陸するのが基本です。

一般的な助言としても、鳥が執拗な場合は安全な場所に降ろす判断が推奨されています。

考え方の参考としてBirds Attacking Dronesの手順整理があります。

上昇か下降かは「周囲の障害物」と「安全地帯」で決める

急上昇で鳥の進路を外す方法が語られることがありますが、上空の障害物や高度制限があると危険です。

一方で急降下は地面や人に近づくため、周囲の安全地帯が確保できる場合に限ります。

重要なのは上下操作そのものではなく、最短で危険域から抜けるための空間があるかです。

迷ったら高度を維持し、直線で距離を取る方が操作ミスを減らせます。

追いかけてくる鳥に「勝とう」としない

鳥は急旋回や急加速が得意で、速度勝負をするとこちらが不利になりやすい相手です。

勝負の発想になると飛行が長引き、結果的に接触リスクも増えます。

鳥は追い払えれば目的を達するため、こちらが離れれば終わることが多い点に立ち返ります。

「撮影の続行」ではなく「安全着陸」をゴールに置き換えると判断が安定します。

もし接触しそうなら「緊急手順」に切り替える

鳥がプロペラ付近まで近づき、接触の危険が高い場合は、周囲の安全を最優先にします。

人の上空や道路上を避け、可能なら空き地へ移動して着陸します。

風が強い場合は無理に戻さず、手元よりも安全な場所に降ろす方が被害が小さくなります。

そのために、飛行前に「ここに降ろす」という候補を複数用意しておくことが効きます。

操縦者以外の人がいるときの声かけを決めておく

鳥が来た瞬間に周囲が騒ぐと、操縦者が判断を誤りやすくなります。

「近づいたら静かに下がる」「操縦者の前に立たない」など、最低限のルールを共有します。

特に子どもがいる場所では、ドローンより鳥に注意が向いて急に走り出すことがあります。

声かけは短く固定し、「降ろすから下がって」と一言で通じるようにします。

緊急時に迷わないための判断基準を表にする

現場判断を標準化しておくと、動画撮影中でも切り替えが速くなります。

次の表は一例で、環境や機体に合わせて数値は調整します。

状況 鳥が視界に入り旋回し始めた
判断 撮影中断して帰還方向へ移動
切替ライン 半径50m以内に接近で直線退避
着陸判断 追尾が10秒以上続けば安全着陸
最優先 人の上空を避ける

撮影・点検で鳥と共存する運用のコツ

木々を背景に飛行するPhantomシリーズドローン

鳥を避けるのは「怖いから」ではなく、自然と安全を同時に守るための合理的な運用です。

撮影の質を落とさずにリスクを減らすには、計画段階での工夫が効きます。

事前に「鳥が少ない構図」を設計する

同じ景色でも、水辺の真上や樹林帯の上を横切る構図は鳥の生活圏と重なりやすいです。

少し引いた構図にして、鳥が集まりやすい場所を画角から外すと遭遇率が下がります。

望遠寄りの撮影や高度を確保できる場所を選ぶと、近づかずに撮る方向へ寄せられます。

「寄って撮る」より「離れて撮る」方針が、鳥にも人にも優しい結果になりやすいです。

繁殖や営巣に配慮して「やめる勇気」を優先する

鳥の繁殖や子育ては短い期間に集中し、外乱に弱い場面があります。

意図的に野生動物へ近づいたり、繁殖や営巣を妨げるような行為は避けるべきとされています。

海外の公的機関でも、野生動物の近くでの飛行を避けるよう注意喚起があり、繁殖期など重要な行動を妨げる意図的な攪乱を認めない旨が示されています。

例として、US Forest Serviceの案内は、野生動物への配慮を強く求めています。

現場で使える「鳥リスクの見分け方」

鳥が多い場所は、空を見上げればある程度わかることが多いです。

旋回する個体が複数いる場所や、鳴き声が一定方向から続く場所は、縄張りや巣が近い可能性があります。

樹木の上部に鳥が集中しているときは、上空に入った瞬間に追尾されることがあります。

次のポイントを見て、飛行前に一段階リスクを下げます。

  • 上空に旋回個体がいる
  • 同じ鳴き声が近距離で続く
  • 水辺に群れが集まっている
  • 樹林帯の一部に個体が集中
  • 餌場になりそうな場所が近い

トラブルを減らすための運用設定を表にする

操縦の腕より、運用の設計でリスクを減らす方が再現性が高いです。

設定を固定化すると、毎回の飛行で判断が速くなります。

以下は撮影用途の運用設定の例で、現場に合わせて調整します。

項目 推奨の考え方
飛行時間 短時間で区切る
ホバリング 必要最小限
退避方向 事前に固定
着陸候補 複数確保
飛行可否 鳥が多ければ中止

安全と自然を守る飛ばし方の要点

夕暮れの海上を飛ぶ白いドローンと夕焼け空

鳥との接触リスクは、操縦中の工夫よりも飛行前の場所選びと季節配慮で大きく下げられます。

繁殖期や営巣地に近い可能性があるなら、無理に飛ばさず別日に回す判断が最も安全です。

近づかれた場合は勝負せず、直線退避と安全着陸をゴールにして、周囲の人の安全を最優先にします。

航空法の飛行ルールは一次情報で確認し、国立公園など自然環境の注意喚起も合わせて守る姿勢が信頼につながります。

「鳥に配慮する運用」は結果として機体も守り、撮影を長く楽しむための現実的な最短ルートになります。